「ゆきて、ぴゅーーー」
ソノ アイダ #TOKYO MIDTOWN AWARD 第六期成果展
アーティスト:さとうくみ子、サリーナ・サッタポン、まちだリな
キュレーター:丹原健翔
会期:2025年1月11日(土)~ 1月26日(日)*月火祝 定休
12:00〜19:00
オープニング:1月10日(金)18:00〜20:30 **サリーナ・サッタポンのパフォーマンス「Balen(ciaga) I belong: Nihonbashi」も 同日予定(協力出演:新人Hソケリッサ!)
クロージングトーク:1月24日(金)18:30〜20:30 (ゲスト 金澤韻/現代美術キュレーター)
会場:ソノ アイダ # TOKYO MIDTOWN AWARD 住所:東京都中央区⽇本橋室町1-6-2 ⽇本橋室町162ビル1F
主催:東京ミッドタウン
共催:三井不動産株式会社
一般社団法人日本橋室町エリアマネジメント
ソノ アイダ
機材協力:DEWALT 資材協力:日本化工機材株式会社 協賛:Brooklyn Brewery 販売協力:株式会社ayatsumugi
写真:木奥惠三

3Dアーカイブ
ソノ アイダ # TOKYO MIDTOWN AWARD 第6期成果展「ゆきて、ぴゅーーー」 https://sonoaida.jp/sonoaida_tma
ARCHI HATCH
TOKYO MIDTOWN AWARD
2024年9月12日(木)~11月10日(日)
TOKYO MIDTOWN
写真:木奥惠三
あの部屋のなかには一人の女の子が居続けていた。【あの子】はいつでも幼少期に買っても らえなかった赤のワンピースを着ている。【あの子】にとっての現実は、微睡のような物語 の中のみにあった。 あるとき、家族が病で死んだ。ゆっくりと現実が動かなくなっていくことと同時に【あの子】は完全な物語を失っていく。 6 歳のまま大きくなった、巨大な女の子がこちら側を覗いて見ている。物質的情景を見つめ つことで、時間はねじれながら【あの子】(= 完全な物語) も少しずつ動かなくなる。
アニメーションという分野は劇場で展開されることが多い。劇場というのは展示空間と 比べ て特殊な場である。画面内側の物語に脳を集中させ、物質的な五感を排除するのが劇場であ り、 その鑑賞環境が映画や物語にとって好都合な場合が多いからだ。一方、本作品は、完全 な物語の崩壊として、物質状態が濃い場所に配置することで意味を成していく。また、東京 の時間軸の不安定性と、本作品の時間的ねじれは連動していく。いつだかまでは、東京をお もちゃみたいな街だと思っていた。おもちゃ箱のなかで育った。しかし、そうではない現実 性の強い雑踏で、人々は少女と見つめ合うことになるだろう。
「くっきりとぼやけた」
2024年3月制作 サイズ可変(正方形サイズ) 5分26秒
これは、極東にあるちいさな島のはなし。
物語は自己批判を繰り返し、最も個人的な部屋を生成する。そうして箱を箱として捉えるための道具に成り下がった。向き合うべき信号はすでに二度あったにも関わらず。もはや、箱がその内側にヒツジを住まわせていた頃を思い出すこともない。
赤いワンピースのあの子は、空洞のなかにはヒツジがいると確信していた。ひとり断片的な情報から、完全な物語を探しにいく。
島はすこしずつその輪郭を強くして、最後の信号を出すことにした。
実際のところ、誰かにとって、あの子が赤いワンピースを着ていたことなんか一度もなかった。これはあの子がそれに気づいてしまうまでのはなし。そして、ちいさな島のあの子の箱のためのはなし。
企画立案:まちだ リな
アートディレクション:まちだ リな
ZINE制作:まちだ リな
ゲストトークイベント企画:中澤 ふくみ、まちだ リな
展示構成:岡村 あい子、中澤ふくみ
アーティストトークイベント企画:川畑 那奈
SNS投稿:MARU AKARI
チケット運営:MARU AKARI、川畑 那奈
リール映像制作:高橋 李空 / DOKUZEN
プログラム構成:倉澤 紘己
MOVOPとして第一回の企画。
本企画では上映・展示の両方を設置し、アニメーションの在り方について再考していくことを主旨として開催され、計120名以上の方にご来場いただきました。
ゲストトークイベントでは井関 悠さん、岩崎 宏俊さん、のばなしコンさんをお呼びしてアニメーションの固有性とこれからについて対談していただきました。音楽イベントでは参加作家の高橋 李空 / DOKUZENがジャンベのリアル演奏に合わせてVJを披露。
アーティストトークでは参加作家7名が登壇し、作品や制作について語りました。
他にも制作したZINEではMOVOP2024のプログラム情報に加え、各作家にとってのアニメーションについてを語った小論文、詩、エッセイ、漫画、等を一冊にまとめました。